第2回SDGsに関する座談会 – “Planet” グループのSDGsに関して


日時:2022年5月20日(金) 21時〜22時30分 (日本時間)/8時〜 9時
30分 (NY 時間)
形態:オンライン(Zoom

この座談会はAFICS-Japanで昨年新たに立ち上げたSDGsに関する座談会シリーズの第2回目として、第2のP であるPlanetに焦点を当てます。 第一回目のPeople に関しては中でも現在世界が奮闘しているHealth (SDG3) に焦点を当てましたが、今回はグループの中の一つのゴールに焦点を当てるというより、Planet の中のゴール全体がどの様に関わり合い環境改善をもたらそうとしているか、またその全体像の中で幾つかのゴールやターゲットがどの様に、他の条約や国際プロセスと関わっているかを見ていきたいと思います。

Planet に関わるゴールは次の通り:
SDG 6: 安全な水とトイレを世界中に;
SDG 12: 作る責任、使う責任;
SDG 13: 気候変動に具体的な対策を;
SDG 14: 海の豊かさを守ろう;
SDG 15: 陸の豊かさも守ろう

この座談会シリーズでは、現役の職員の方から現在の実施状況を聞き、それに関して、AFICS-Japan の会員からより良い活動に向けての提言を引き出し、また参加者の間での意見交換を促す機会とすることを目的としている事に基づき、Planet に関して活発な意見交換ができることを期待します。 また、このPlanetのグループにはSDG 12 という我々の消費や生産行動についての大事なゴールが入っています。 中でも消費に関しては、私達が現在の消費行動を続けるとすると、エコロジカルフットプリントが増大し、地球1.7個分が必要となるとも言われています。SDGsの達成のためには、私たちの認知や行動の変革が求められており、そうした課題を地球規模の環境保全という観点から掘り下げてみようと思います。

今回の座談会では、UNDPのGEF Small Grants Programmeのグローバルマネージャーである渡辺陽子氏にSDGs と環境の全体像を話して頂き、その後AFICS-Japan 会員で現在もIPCC で活躍されている近藤洋輝氏にSDGsにおける気候変動の関わりを科学的知見からお話し頂き、また、生物多様性条約事務局で生物多様性日本基金のグローバルコーディネーターである鈴木渉氏にはSDGs 14 ・15 との関連で生物多様性について話して頂きます。

プログラム

21:00-21:05                開会の挨拶

21:05-21:25                Keynote Speech:渡辺陽子氏、Global Manager, GEF Small Grants Programme, Local Action – Nature, Climate, and Energy Team, Bureau for Policy and Programme Support, United Nations Development Programme

                                       SDGs と環境についての全体像 (20分)

21:25-21:35               パネリスト:近藤洋輝氏 元WMO

                                       SDG 13 気候変動について。 (10分)

21:35-21:45                パネリスト:鈴木渉氏、生物多様性条約事務局、生物多様性日本基金グローバルコーディネーター

                                       SDG 14 ・15と関連で生物多様性について。(10分)

21:45-22:25                Q&A 及び意見交換

22:25-22:30                閉会の挨拶

パネリスト

渡辺陽子氏
地球環境ファシリティ小規模無償基金事務局長・グローバルマネージャー
国連開発計画

国連開発計画(UNDP)で、小規模無償基金のグローバルマネージャーとして、約10億ドルの基金を統括。世界128か国で、26000件以上に及ぶNGOや市民団体が従事する、地球環境保全活動を支援している。2017年より現職。

2004年から2017年まで、ワシントンDCの地球環境フアシリテイー(GEF)に勤務。アジア地域コーディネーターとして、生物多様性や気候変動等、アジア地域のプロジェクトを統括。上級生物多様性専門官、ジェンダー/社会的包摂チームのリーダーなど、さまざまな業務を兼任。その間2010-2011年には、世界銀行ルワンダ事務所にて、上級環境担当官として勤務。

1999から2004年まで。世界自然保護基金(WWF)モンゴル事務所で副所長兼自然保護部長、またWWFアメリカ事務所で国際機関担当調整官として勤務。また1996年から1998年まで、UNDPのネパールおよびモンゴル事務所で環境担当官として、生物多様性保全・保護地区の管理など、現場プロジェクトに従事。

アメリカン大学国際開発修士号(環境政策・マネジメント)を取得。青山学院大学国際政治経済学士(開発経済学)、交換留学中にオレゴン大学で環境学を学ぶ。

近藤 洋輝
元世界気象機関 (WMO) 大気研究環境計画部 上級科学官
元気象研究所の気候研究部長;元IPCC(気候変動に関する政府間パネル)WGI(第1作業部会)国内支援事務局長

 1972年気象庁 入庁 、1973年 ~ 1975年米国イリノイ大学 大気科学研究所客員研究員 、1975年気象庁へ戻り数値天気予報や台風進路予報のモデルの研究に携わる。 1989年 ~ 1994年世界気象機関 (WMO) 大気研究環境計画部 で上級科学官として活動。帰国後、気象研究所の気候研究部長として気候変動予測のモデル研究に関わる。2002年退官。その直後、JAMSTEC(海洋研究開発機構)で当時世界最速のスーパーコンピュータの地球シミュレータが利用可能となり、その活用による上記研究の

プロジェクトが文部科学省のファンドで始まり、その推進と成果発信の活動とともに、IPCCの科学的知見を担当する第1作業部会の国内支援事務局長の担当となり、IPCCの会議や関連するUNFCCCの会議にほぼ毎回関わっている。AFICS-Japan会員。

 

鈴木 渉(すずき わたる)
生物多様性条約事務局生物多様性日本基金
グローバル・コーディネーター

1994年環境庁入庁。環境省生物多様性地球戦略企画室の室長補佐として、生物多様性条約事務局第10回締約国会議(2010年、愛知県名古屋市において開催)に関わる。その後、環境省生物多様性センターにおいて、東・東南アジア生物多様性イニシアティブ(ESABII)およびアジア太平洋生物多様性観測ネットワーク(AP-BON)の事務局を務める。以降、2012年に国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)にてSatoyamaイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の事務局次長、2016年に国連環境計画(UNEP)IPBESアジア・オセアニア地域アセスメント技術支援機関代表を務めるなど、国際的な生物多様性の政策形成や研究の支援に関わる。2018年より現職。著書に、JICA海外長期研修の際の経験をとりまとめた「留学先は国立公園!」(ゴマブックス)等がある。筑波大学大学院環境科学研究科修了。

 

モデレーター

髙瀬千賀子
元国連地域開発センター所長
国連システム元国際公務員日本協会(AFICS-Japan)執行委員

1983年6月-1984年8月に国連工業開発機関(在ジャカルタ)においてアソシエートエキスパートとして勤務後、1984年10月より国連事務局に勤務。国際経済社会局開発研究・政策分析部では中期予測を担当(1984-1989)、マクロ経済・社会政策分析部では基幹出版物World Economic Surveyの執筆に携わる(1989-1994)。その後、政策調整・持続可能な開発局持続可能な開発部に移り、主に消費・生産の持続可能な行動への移行を担当する(1995-2005)。この間、生物多様性条約事務局に約3年間勤務(1996-1997)。国連経済社会局持続可能な開発部に戻り、2002年にヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)で行われたWorld Summit on Sustainable Developmentの準備および開催に携わる。2005年8月より国連経済社会局経済社会理事会支援・調整部において政策調整課副課長(政策分析担当)として主に経済社会理事会の運営に携わる。2011年3月より国際連合地域開発センター(UNCRD)所長。2017年6月30日、定年退職。現在、大学・大学院で非常勤講師として主に持続可能な開発に関して講義をしている。また、国連システム元国際公務員日本協会(AFICS-Japan)で執行委員及び国際公務員育成タスクフォースの大学・大学院分科会のコーディネーターを務めている。 1981年国際基督教大学卒(教養学士)、1982年英国サセックス大学大学院修士課程卒(開発経済学修士号)。

閉会の辞
井上健
元UN・UNDP職員
国連システム元国際公務員日本協会(AFICS-Japan)執行委員

開発協力、人道支援、平和構築などの国際協力分野で40年以上活動。専門は国連平和維持・構築活動と民主的ガバナンス。現在は、パーソナルガバナンス研究所 代表(2021-)、国連訓練調査機関(UNITAR) 国連平和活動に関する諮問員会アドバイザー(2014-)。国際協力機構 (JICA) 民主化支援・ガバナンス担当シニアアドバイザー(2015-2020)、東ティモール国連PKO チーフガバナンスアドバイザー(2007-2012)、アジア生産性機構 工業部長(2001-2006)コソボ国連PKO 市行政長官(1999-2001)、国連ボランティア計画 プログラム信託基金管理官(1994-1999)、ソマリア国連PKO 広域人道支援官(1994)、カンボジア国連PKO 副行政長官(1991-93)、カンボジア人道支援担当事務総長特別代表室企画官(1988-93)などを歴任。また国連開発計画、世界銀行などにも勤務。東洋大学、獨協大学、京都女子大学、桜美林大学、創価大学、ベトナム国家大学ハノイ校 日越大学院などで非常勤講師を務める。