国連タジキスタン監視団民政官の記録

書名:国連タジキスタン監視団民政官の記録
国連ピースキーパー「この国の和平につくして死す」
The UN Peacekeepers, Died Serving the Cause of Peace

登丸求己 著、東京図書出版、2021

 

著者は、内戦中のタジキスタンで国連監視チーム襲撃事件があったおよそ一年後、1999年4月に国連タジキスタン監視団(UNMOT)民政官としてタジキスタンに赴任。そこでUNMOTの同僚たちが、事件現場の状況や背景・経緯など自ら話してくれ、関連する資料やビデオ記録なども進んで見せてくれた。その貴重な情報をできる限り詳細に記録し、当時あまり詳しい報道がなかったこの事件の真相を伝えることが自分の使命だと考えていた。

本書は、故秋野豊政務官を含む4人の銃撃死事件の真相だけでなく、国連タジキスタン監視団の活動実態とUNDP開発屋のPKO挑戦、国連コンフリクト・リゾリューションの記録からタジキスタン内戦の構造と国連ならび関係国による和平調停の経緯、さらに人間ピースキーパー達の危機一髪エピソードを伝えるものである。

地域研究者や平和構築NGOのための参考資料としてだけでなく、一般の方々の国連平和維持活動理解、さらに国連機関を目指す高校生や大学生のための進路参考図書として本書をご利用いただきたい。

 

登丸求己プロフィール

元国連開発計画(UNDP):北イエメン事務所とソマリア事務所に駐在後、ニューヨーク本部開発管理官
国連平和維持活動:タジキスタン監視団(UNMOT)民政官、東ティモール暫定行政機構(UNTAET)政策企画課長
前玉川大学教授:国際関係・国際協力ゼミ、国際開発論、国際協力論、異文化コミュニケーション論など担当
現在:任意NGO「地球市民の平和塾」主宰、主に小学・中学・高校生、大学生・社会人にワークショップ出前授業
主な授業テーマ:平和の心、多様性と共生、持続可能性(人類と地球の未来)、貧困、人権、環境など