会長就任の挨拶

「過去」「現在」「未来」を繋げる

伊勢桃代前会長の後任としてAFICS-Japanの会長に選出されました長谷川祐弘です。佐藤純子副会長と執行委員とともに、この協会が会員の皆様の親睦を深め福利厚生に寄与することを最優先事項として尽力していく所存です。そして私たちが、自らの成し遂げた「過去」の経験と教訓を生かして「現在」を有意義に生き、「未来」を生きる若者が国際平和と人類の繁栄に貢献できるように支援していきたいと願っております。

皆様が国連システムでのキャリアを通して国際平和と正義そして基本的な人権と人間の尊厳を維持していくために多大なる貢献をされてきたことに深い尊敬の念を抱いております。国際社会へされた皆様の有意義な貢献を単なる「過去」の出来事とするのではなく、長い経験から得た教訓と知恵を「現在」の国連を支援する活動に生かし、「未来」の国連を目指している若者を支援するために活用していただければ幸いです。

もちろん、現在のように非常に不安定な社会状況の中では、引退された皆様の福利厚生が最優先されるべきであることは間違いありません。AFICS-Japanとしては、皆様の年金の価値を維持して福利厚生を充実させることが、皆様のみならずご家族のためにも最優先課題であると思います。そのために国連合同職員年金基金 (UN Joint Staff Pension Fund) との連携も密にして具体的な問題の解決にも寄与していきたいと思います。

日本の国連への分担金は依然として第3位で任意拠出金も多大な額であります。これら国連への財政的な支援とともに国連改革や政策立案などにおいても、私たちが国連システムで勤務して蓄積してきた知識と教訓を生かして、国連が現在取り組んでいる地球規模の課題の解決に貢献していきたいと願っております。

国連専門機関など国連システムに属する機関における日本人高官のプレゼンスは昔ほどではなくなったと言えるかも知れません。しかしながら、ニューヨークやジュネーブなどを訪問するたびに感じることは、日本人の中堅幹部職員が多くおられることです。これはJPOとか国連競争試験(NCE, NRCE, YPP)制度とその他の若手採用制度などを通して若い日本人が国連システムに入り育ってきた賜物と思われます。AFICS-Japanとしては、今後も皆様のご支援をえて若い方々を中心とした人材育成事業にも積極的に寄与していく所存です。

このようにして、国連システム機関の職員であった皆様の「過去」「現在」「未来」を繋げていくことをお手伝いできればと願っております。どうぞよろしくお願いいたします。

2020年8月

長谷川祐弘